ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

Aesop's Fables(イソップものがたり)

『洋書:Aesop's Fables: A Pop-Up Book of Classic Tales(英語)』2011/10
 Kees Moerbeek (著), Chris Beatrice (イラスト), Bruce Whatley (イラスト)

『和書:イソップものがたり―とびだししかけえほん』
2011/1
 キース モアビーク (著), ブルース ホワットリー (イラスト), Kees Moerbeek (原著), Bruce Whatley (原著), Chris Beatrice (原著), クリス ビートリス


(感想)
 『うさぎとかめ』など、みんなが知っているイソップ物語の10作品を題材にした、しかけ絵本です。子供向けの話のような気がしていましたが、この絵本は……あまり子供向けではありません。話の内容が大人向けに改変されてパロディになっている、とか言うのではなく、絵柄が……日本人の感覚ではとても「かわいい」とは言えない絵柄だからです。
 最初のページをぱっと開いて、いきなり金の卵を産むがちょうが、小馬鹿にした表情でこちらを見返してくるのに戸惑いました。しゃくにさわることに、その口元がとても丁寧に仕上げられていて、妙にリアルな絵柄なのです。うーむ、と思いましたが、考えてみるとイソップ物語自体、決して楽しいだけの話ではありませんよね。『金のたまごを生んだがちょう』は、欲を出したばかりに、もとの貧しい生活に戻ってしまう夫婦の話ですし。
 ページ中央のしかけはとても大きく複雑で、しかもかなり丁寧に仕上げられています。その他、ページごとに小さいしかけ絵本がついている豪華な構成になってもいます。小さいしかけ絵本の方にも、かなり複雑なしかけがあって、とても見ごたえがあります。動物たちの絵は、ユーモラスな表情が多くて、映画『マダガスカル』を彷彿とさせます。アメリカのコミック映画風の絵柄が好きな方には、最高なのではないでしょうか。
 甘いだけのしかけ絵本に飽きてしまった方、ユーモアのセンスのある方、ペーパークラフト好きの方には、とても興味深いしかけ絵本だと思います。

・1~2ページ目:金のたまごを生んだがちょう(ページを開くと、くちばしをにやっと開きます)。左右に物語しかけ絵本(3+3ページ)
・3~4ページ目:きつねとからす(大木の上でカラスが揺れます)。左右に物語しかけ絵本(3+3ページ)
・5~6ページ目:うさぎとかめ。左右に物語しかけ絵本(3+3ページ)
・7~8ページ目:北風と太陽。左右に他の物語のしかけ絵本(3+3+3+3ページ)
・9~10ページ目:ライオンとネズミ。ライオンのちょっと困った表情は必見! 左右に物語しかけ絵本(3+3ページ)
・11~12ページ目:アリとキリギリス。左に物語しかけ絵本(3ページ)右にイソップの紹介(3ページ)
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 キース モアビーク(Kees Moerbeek)さんの他の本、『6にんのゆうかんなたんけんか』、『Ocean (Roly Poly)』、『Count 1 to 10: A Pop-Up Book』に関する記事もごらんください。
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 キース モアビークさんは、『Count 1 to 10: A Pop-Up Book』などの子供向けのしかけ絵本はもちろん、大人向けのしかけ絵本も出しています。『Alfred Hitchcock: The Master of Suspense(英語)』は、なんと、ヒッチコックのサスペンス映画のシーンをしかけ絵本にしたものです。
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 ところで、イソップ物語には、他にどんな話があったっけ?と興味を持った方には、471篇の話(新訳)が収められている『イソップ寓話集 (岩波文庫)』などがあります。
 また、教養としてイソップ物語のうちの有名な話だけ知りたいとか、子供に読み聞かせたいと考えている方には、他の話とともにイソップ物語も入っている『子どもが眠るまえに読んであげたい 365のみじかいお話』『グリム・イソップ童話集―心に残るロングセラー名作20話』などもあります。

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