ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

David A. Carter(デビッド・A. カーター)

White Noise(しろいおと)

『White Noise: A Pop-up Book for Children of All Ages(英語)』
2010/9
 David A. Carter (著, イラスト)

『和書:しろいおと (しかけえほん)』2010/08
 デビッド・A. カーター (著), きたむら まさお (翻訳)


(感想)
 しかけ絵本好きの人間のバイブルと言っても良い『実物で学ぶしかけ絵本の基礎知識ポップアップ』の作者の一人、デビッド・A. カーターさんが、多彩なしかけ技法を惜しげもなく披露してくれる珠玉のしかけ絵本シリーズの第五弾。前作『One Red Dot(あかまるちゃん)』『Blue 2』『600 Black Spots』『Yellow Square』に無かった手法(ホワイト・ノイズらしく、引っ張ると音のでるオブジェ2種、開くと音のでるオブジェ1種など)が今回も入っていて、しかけ技法の参考書としても使えます)。
 もちろん凄いのは技術力だけではありません。立ち上がる抽象造形は、美術館の展示に耐えるほどの芸術性があり、しかも今回は「音」がテーマのようで、全ページの何かしらの「音の出るしかけ」があります。また赤丸や黄色い四角など、前作までのテーマが隠れていることもあり、それを探す楽しみもあります。
 開くと鶴の翼のようなものが開くしかけは、視覚的な技法としては、それほど目新しくはありませんが、造形的に非常に美しく、本を揺らして翼の羽ばたく音を聞くという側面に注目すると、とても新しい技法と言えるかもしれません。
 子供はもちろん、大人も楽しめる芸術性の高い一冊。音をテーマとしたしかけ絵本はとても珍しいので、ペーパークラフト好きなら、ぜひとも手に入れることをお勧めします。英語の本ですが、文章はほとんどなく造形物がメインの本です。ページを開いたまま飾って眺めるのも、とても楽しいですよ!

・1~2ページ目:飛び出すカラフルな円のある枝。開閉でぎこぎこ音が出ます。
・3~4ページ目:カラフルな四角や輪の造形。吊り下げられた白丸が、ぱたぱたと優しい音をたてます。
・5~6ページ目:ぎこぎこ音をたてて、飛び出してくる黄色い円錐。
・7~8ページ目:飛び出す黒いリーフ形の筒と、音をたてる黄色い厚紙。左は、かしゅかしゅ音のでるメガホン。右は木琴のような音階(どちらも、ひっぱりしかけ)。
・9~10ページ目:飛び出す黄色い長方形と、音のでる白い扇。
・11~12ページ目:赤地に白い鶴の翼のようなオブジェ。本を揺らすと翼の羽ばたき音(?)が聞こえます。
・13~14ページ目:赤と黄色の渦巻き。開閉でぎこぎこ音が出ます。
・15~16ページ目:長方形の切り紙風しかけ。紙のこすれる音がでたり、小さい赤い扉の開閉でぎこぎこ音が出たりします。(黄色い四角形も隠れています)
・17~18ページ目:黒い枝の出る白四角。開閉で紙のこすれる、きこきこ音(鳥の声のようにも聞こえます)が出ます。
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 この作品はシリーズ展開していて、この作品が第5弾です。第1弾は、『あかまるちゃん(One Red Dot)』、第2弾は、『あお2ちゃん(Blue 2)』、第3弾は、『くろまるちゃん(600 Black Spots)』、第4弾は、『きいろいしかくちゃん(Yellow Square)』です。
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 音が鳴るしかけ絵本には、最近は電子音を利用したものが多いのですが、この本と同じように「紙の音が鳴る」しかけ絵本としては、『ディズニー ミッキー・ミニーの かたかた ころころ』などもあります(カーターさんの本ではありません)。これは、絵本を左右上下に傾けると、絵本に組み込まれたボール紙のチップがころころと移動することで、かたかた音を出すという、とても珍しい技法が使われた絵本です。
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 カーターさんは多数のしかけ絵本を出していますが、そのうちの虫シリーズの楽しいしかけ絵本には、『Bedtime Bugs』、『Birthday Bugs』、『School Bugs』、『Chanukah Bugs: A Pop-up Celebration』などもあります(このシリーズの絵本は、全部楽しい絵本です☆)。

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