ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

Matthew Reinhart(マシュー ラインハート)

Mommy?(マミー?)

『洋書:Mommy?(英語)』2006/9
Maurice Sendak (著), Arthur Yorinks (イラスト), Matthew Reinhart (イラスト)

『和書:マミー? (とびだししかけえほん)』2008/09
マシュー ラインハート (著), モーリス センダック (イラスト), Matthew Reinhart (原著), Arthur Yorinks (原著), Maurice Sendak (原著), きたむら まさお (翻訳), アーサー ヨーリンクス


(感想)
 しかけ絵本の名手ラインハートさんが、センダックさんのユーモラスな絵本イラストを素材に、とても楽しいしかけ絵本を作ってくれました。お化け屋敷に迷い込んできた赤ちゃんが「ママ?」と呼びかけながらさまようと、ミイラやら吸血鬼、狼男などの妖怪たちが次々現れてくるのです。本来なら恐怖絵本になるところですが、どんな恐ろしい妖怪が出てきても、怖いもの知らずの赤ちゃんはにこにこしているので、見ている方もなんだか楽しくなってしまいます。「Mommy(お母さん)」が「Mummy(ミイラ)」に似ているという親父ギャグがネタになっていると思うのですが、たいていの妖怪には笑顔を向ける赤ちゃんが、なんと「Mummy(ミイラ)」の初登場時だけは、怒った顔で立ち向かっていこうとするんです(いきなり棺から飛び出してきて、びっくりさせるからです)。でも、すぐに仲良しに(?)なってしまうのですが……。というよりも、この赤ちゃん、妖怪たちを怖がるどころか、むしろ積極的にお仕置きしたり、果てはいたずらまでしかけたりしてしまうんですよ。いったいどういう赤ちゃんなのか……と呆れてしまうのですが、最後には納得のオチが待っています。
 楽しいイラストに目を奪われがちですが、ラインハートさんの高度なしかけ技術は、もちろん、いたるところで活かされています(回転するしかけなど凝ったものもあります)。ただその凄い技術が、センダックさんの絵本世界にあまりにも自然になじんでしまう程の名人芸に達してしまっているのです。
 優しい色合いに、ユーモラスな妖怪たちの表情……こんなに癒されるお化け屋敷が、かつてあったでしょうか。

・1~2ページ目:「ママ?」お化け屋敷に迷い込んだ赤ちゃんを怪しい住人が出迎えます。右にしかけ絵本(3ページ。出迎える住人)
・3~4ページ目:「ママ?」次の部屋ではドラキュラが脅かします。右にしかけ絵本(3ページ)
・5~6ページ目:「ママ?」次に待つのはフランケンシュタイン。右にしかけ絵本(3ページ)
・7~8ページ目:「ママ?」棺から飛び出したミイラに、怒った赤ちゃんは……。右にしかけ絵本(3ページ)
・9~10ページ目:煙突の狼男も赤ちゃんにタジタジ。右にしかけ絵本(3ページ)
・11~12ページ目:妖怪大集合。右にしかけ絵本(3ページ。納得のオチ)
    *   *   *
 イラストのセンダックさんは、20世紀を代表する絵本作家と評されていますが、『センダックの絵本論』は、彼の創作活動の源泉となった先人たちの作品や同時代のイラストレーターについて率直に語った絵本論です。またその代表作『かいじゅうたちのいるところ』をはじめ、『まよなかのだいどころ』『そんなとき どうする?』『そんなときなんていう?』などの人気絵本もあります(『かいじゅうたちのいるところポストカードコレクション』もあります)。

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