ちょき☆ぱたん 写真補正の豆知識 (chokipatan.com)

第4部 画像データと印刷の基礎知識

2 画像データの解像度

2-2 解像度とサイズ

2-2-2 参考:画素数(解像度)過多で発生する問題

 実際に印刷されるサイズに対して、画像の解像度が不必要に高いと、ファイル容量が大きくなりすぎる、印刷処理が遅くなるなどの問題が発生して、作業効率を低下させる恐れがあります。
 また作業効率だけでなく、画素数が極端に多いと、印刷品質を逆に低下させてしまうこともあります。なぜかというと、インクジェットなどのプリンタには「出力解像度」があり、出力時の走査線の密度(解像度)が最初から決まっているので、その解像度を越えた部分の情報を「圧縮処理」して印刷できる解像度まで落としてやらなければならなくなり、情報が不足する場合の「補完処理」と同様に「劣化」が発生する可能性があるからです。
 プリンタの出力解像度はかなり高く、例えば1200dpiとか1440dpi等に設定されているのですが、これはインクの粒1個を吹き付ける密度を表しています。しかし、インクの粒1個では濃淡を表現する事ができませんので、通常は数個のインクを組み合わせて吹き付けることによって表現しています。このため、印刷に最適な「画像解像度」は、自分の使用しているプリンタの「出力解像度」の整数分の1が良いとされていて、一般的には、1/4がベスト、1/6が標準、1/8が最小とされています。例えば、1440dpiのプリンタの場合なら、1/4で360dpi、1/6で240pi、1/8で180dpiになります。
 そして、これを越える解像度の場合は、情報過多による劣化が起こる可能性がありますが、コンパクトカメラの場合は、もともとカメラの解像度がすごく高いわけではありませんので、A4サイズ程度の大きさの印刷では、情報過多による劣化を気にする必要はないでしょう。はがきサイズなどの小さい写真に印刷する場合には、情報過多による劣化が多少懸念されるかもしれませんが、こちらの場合は、写真自体が小さくなりますので、人間の眼では劣化自体が確認しにくくなります。これらの理由から、印刷用の写真の場合、画像解像度を高く設定する分には、特に問題はないと考えて良いでしょう。
 印刷ではなく写真をスキャンする場合にも、解像度が高くなりすぎると、ファイル容量が多くなりすぎるとか処理が遅くなるなど、印刷の場合と同様の情報過多の問題が発生します。そしてスキャンの場合は、印刷の場合よりも、高い解像度の設定に問題があります。本当に高い解像度でスキャンされているために情報過多が起こっている場合は、印刷の場合同様にさほど問題はないのですが、「見かけの高い解像度」でスキャンしてある可能性があるので、注意が必要なのです。たとえば「入力解像度」が3200dpiのスキャナーでも、実際にスキャンしようとすると12800dpiなどの高い解像度の設定が可能な場合がありますが、「解像度は高ければ問題ないはず」と考えて安易に高い解像度を設定してしまうと、ファイル容量が大きくなりすぎるだけでなく、画像がかえって荒れてしまうことがあるのです。なぜならスキャナーやスキャニング・ソフトが、実際には3200dpiでスキャンした画像を、不足している分のピクセル穴を勝手に補間することで12800dpiにしようとするからです。そのため結果的に画像がかえって荒れてしまうことがあるので、家庭用のスキャナーで写真をスキャンする場合は、不必要に高い解像度を設定しない方が良いでしょう。

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